小さいキーボード萌え


そういえば昔、Palmを使っていた。使用機は初代がPalmIII、二代目がTrgProだった。PalmはGraffityという一種の速記文字でペン入力することが基本であり、かつ強力だった。どのくらい強力だったかというと、Palm使用中はまともなアルファベットを手書きで書けなくなるくらい。


そんなPalmでもキーボードを使いたいという需要は存在し、何種類か出ていた。多くはシリアルポートに接続するタイプの普通のキーボードであったが、ぶっちゃけていうと本体とのバランスが取れていなかった。どうしてもキーボードが大きく、本体が小さいのである。そんななか間違いなく最小最薄最軽量なのが、これ。


ペンでこする感圧部分に貼るだけ。馬鹿商品としか思えない代物だが、実にちゃんと入力できたのである。名前の通り両の親指で入力するのだが、いろんな意味でタッチタイプであった。だってキーボードを凝視していても常に全体の半分近くのキーは自分の指で隠されてしまうのだ。でも本当にちゃんと打てた。


ただし、そのスピードはGraffityとさして変わらなかった。これはキーボードの問題ではなく、むしろただただGraffityが強力過ぎたことによる。


が、特に管理すべきスケジュールも携帯電話以上のアドレス帳も必要の無い私はやがてPalmから離れてしまった。気がつくと10キーの無い逆ポーランド記法電卓専用機と化していて、何かが間違っていると気づいた。



次に使ったのはLibrettoシリーズだった。初代のLibrettoを友人に譲ってもらい、Plamoを入れてlynxemacs専用機にして、ベッドサイド端末にした。それが壊れるとSS1000を中古で買って、Potatoを入れてw3memacs専用機にした。Flash? 死ねよ。まじで。


LibrettoのキーボードはThumb Typeに比べれば巨大と言ってもよかった。なんといっても指10本全部使えたのである。ただし、まるでマニュキアを見せる女の子のように指と指の間に隙間無くタイプしていた。いわゆるサブノートと言われる機種のキートップが小さくて評判の悪いキーボードを叩くとき、私はいつも目的のキーの内側をミスタッチしてしまって、それが誇りであった。このサブノートはでか過ぎると文句を言った。




ところで、今夜は珍しく出張で、今はホテルのサービスLANにつないでいるのだが、どうして私はいつの間にMacBookなんてくそでかいキーボード持ちを叩くようになってしまったのだろう。堕落した。肩が痛い。



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