脳内猫スイッチ

ある種の人の頭の中には、ある種のスイッチがあるのだと思う。そのスイッチが押されると脳内麻薬が少量ながら分泌される。


そのスイッチは人によって猫が押したり、犬が押したりする。


さんざん説教をされている途中で、ふと降り注ぐ言葉が止む。相手の顔を見ると今の今まで怒っていたのに微笑んでいる。視線の先を追うと、いや追わなくても音だけで分かっているのだが、よくあるキャットフードのCMである。そのCMが終わると、説教は再開される。

「テレビ見てて、私の話聞いてないでしょ。」

いや、しかし、たった今、えー。頼むから猫の特集番組でも始まってくれないか。


まあそりゃ、男の頭の中にもある種のスイッチがあって、それはまたしごく簡単に押されてしまうのであるが。