short shorter shortest

VTRの頃は気にしたことがなかったが、HDRになって以来、その編集機能のおかげで、ある番組の正味の長さというものがわかる。オープニング、CMまで、CM後、次回予告、エンディング、足したら何分何秒というのがはっきりわかるわけだ。

感心するのは、同じシリーズだったら、その秒数がまず完璧に一致しているということである。編集ってすごい。オープニングやエンディングは毎回同じだとしても本編部分が秒単位で一致するというのは、やはり大したものである。カット・シーンというレベルではなく、台詞と台詞、カット間の余韻だとかいった「間」のレベルで調整しているわけだ。

愉快なのは古い番組になればなるほど、各話毎の尺が不ぞろいになっていることである。プリズナーNo.6(1967年)などは各話、分単位で尺が違うので、うわDVD-Rに入らねえじゃねえかということになって迷惑した。Wikipediaには「各話45分」とあるが、正確には50分前後のはずである。ノンリニア編集どころか、フィルムをつないでいた時代だ。おおらかというか、それが精一杯だったのだろう。


それはともかく、異なったシリーズ毎に見比べると、また別の傾向がはっきり見える。たまたま今私のHDRにある番組を並べてみよう。

タイトル 初回放映
ルパン三世 1971年 24分46秒
伝説巨神イデオン 1980年 24分24秒
THE ビッグオー 1999年 23分39秒

1980年代終わりか、1990年代初めの番組があるともっとはっきりするはずだが、面倒なのでやめておく。要するに時代が下るにつれて、どんどんテレビ番組というものは短くなってきたということである。1971年と1999年を比べると同じ30分枠の番組で1分以上も短くなったわけだ。今実例は出せないが、NHKの番組でさえ同じ傾向をもっている。コナンとナディアとさくらと…最近のは何だ?…つばさクロニクルと比べたら分かるだろう。


海外はどうかというわけで、スタートレックの各シリーズを見る。

タイトル 初回放映
TOS 1966年 50分19秒
TNG 1987年 45分30秒
DS9 1993年 45分25秒
ENT 2001年 44分11秒

海外も同じ傾向なのが分かるだろう。毎年数秒という単位で着実にTV番組は短くなっているのである。


番組を削った分はどこに行ったのかといえば、いうまでもなく広告屋さんの取り分となったわけだ。なお、日本民間放送連盟 放送基準 第18章において、国内の番組とCMの比率の目安は一応定められている。