我が子

向井・高田夫婦の代理出産問題が一通りの決着を見たようだ。世論調査では夫婦に同情的であるというが、ネットをぽつぽつ見ている限りではほんとに?という感じ。私は向井氏でもないし、女性でさえないので、とても彼女の気持ちが分かるとは言えないが、彼女がこれほどに戸籍の問題にこだわったのは、やはり彼女自身の身体で産むことができなかったからなのかなと、ぼんやり考えている。


代理出産という手段によって子供を得ることはできたものの、自分が母親となったという意味で不確かなものを感じたのではないかと。だから、確かな証を戸籍という形で欲しかったのではないかと。その意味で、裁判の結審後、向井氏が「やるだけのことはやった」という趣旨の発言をしていたようにどこかで読んで、私は少しほっとしていた。先日のインタビューだと多少違うベクトルの発言ばかり聞こえてきて、多少の不安はあるのだけれど。



双子の子供たちには、今の時点では日本国籍を取得させず、米国籍で過ごすということで、そのことで何らかの不利益を受ける可能性は、可能性としてはたしかに無くも無い。しかし、私はさほど心配しないし、特に気の毒だとも思っていない。なによりもあれだけの両親であるから、戸籍がどうあれ、彼らは大切に育てられるだろうと期待できるからだ。子供にとってなによりもまず大切なことは確保されていると思えるからだ。


両親が本当に子供を「我が子」として育てる限り、血縁も戸籍も些細な意味しか持たないと私は信じている。逆に「我が子」として扱われない子供、血縁や戸籍がどうであろうと、虐待されたり育児放棄されたりする子供たちは常にどこかに存在してきた。心配するならそっちの方だと、明け方のニュースを見ながらため息をついた。


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