Kindle4来る


先週、Kindleが更新されてやっとあの醜いキーボードが無くなったので注文した。$109と送料で1万円弱だった。円高すごい。29日の早朝にポチって、昨日の早朝に到着。ほぼまる4日でアメリカから到着したわけで、購入申込書を郵送させてクレジットの与信審査してやっと発送とかのSHARPのGARAPAGOSのあほらしさをあらためて感じる。


購入したのは十字キータイプである。なんだかデザインに既視感があるなあと思ってしばらく考えたが、懐かしのPalm Vを思い出しているのだと気がついた。ボタンの配置とか色とかなんだろうが、思えば遠くへ来たもんだ。最初に青空文庫を知ったのはPalmIII関連だった。


設定は特に無し、と言いたいところだが、実際には無線LANの接続に難航した。最終的にDHCPをやめてstaticにしたら接続できたのだが、Kindleの問題なのかうちのルーターの問題なのかわからない。無線LANさえつながれば後は簡単。英辞郎を内蔵英和辞書にすることにも成功した。


画面はサイズ・文字数・表示品質の全てでペーパーバック並と言っていいと思う。仕様上の解像度は600×800しかないのだが、電子インクの特性のためか適度なにじみがあって、画素の見分けがついたりはしない。iPodKindleを使っていて感じた不満がページあたりの文字数の絶対的少なさで、どうしても見通しが悪い感じがしていたが完全に解消された。


十字キーで操作しての辞書引きだが、単語の選択は反転式ではなくキャレットが単語単位で移動するので、思ったよりはずっと軽快に動作する。単語選択から自動の辞書引きまではひと呼吸あるがイライラするほどではない。タッチパネル式と比べてどうだろうと思うと、十字キー式の利点は片手で操作できるということで、電車で読むにはこれは大きい。


これを機にヴォルコシガンシリーズを全巻購入したが、15冊相当でわずか$37だった。これはKindle storeには出ていなくて出版社の直販で、もともとKindle storeに比べて数ドル安い。おまけにペーパーバックには合本というのがあって、もともと独立した単行本になっていた長編を2本合わせて1冊にして値段は1冊分みたいなことをしているので、ある程度古い作品はどんどん安くなるわけだ。Kindleで使えるmobi形式、ePub形式など10種類弱のデータ形式で事実上DRM無しで販売されている。こういうのを見ていると海外の出版社は作品を売るために使える手段は全部使っているなと感じる。


長いことペーパーバックを読むためにいろいろやってきたが、ようやくほぼ不満の無い環境にたどりついたという感じ。これくらい手軽なガジェットになると、たとえば日本語書籍用に別のリーダーを持ってもいいかなと思う。音楽やビデオだとライブラリはどうしても一つにまとめたいのだが、本となると少し感覚が変わる。早川書房創元社が全面的に参入してくれたら、もうだいたいそれだけでいいんだけどな。


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