電子書籍リーダー雑感(2)

日本語版のハリーポッター


以前から予定されていた電子書籍版のハリーポッターの日本語版が発売された。値段を見たら全巻セットで7,110円で、自分の買った英語版の倍近い。うへぇと思いながらよく見たら、英語版(US)も4,497円/$57.54と自分が買ったときの$37くらいからずいぶん値上げされていた。そういえば、あのときはオープン記念で安いですよみたいに書いてあった気がするので、今の状態が正規の値段で、あの時がセール中だったのかもしれない。


興味がわいたので各国語版の値段を比べてみたら以下のようになっていた。

  • 英語(US)4,497円
  • 英語(GB)4,745円
  • 独仏伊西語 5,513円
  • 日本語 7,110円

英語版以外は翻訳代が乗っているということで理解できるのだが、米語版のほうが本来のオリジナルである英語版より微妙に安いのはよくわからない。円ドルのレートは78円くらいなので、為替市場価格通りすぎる…ということは変動相場制なのかもしれない。


日本語版は米語版と比べると6割り増しくらいで、高いなあと思う人も多そうだけれど、最近だと翻訳書って2倍くらいで当たり前だったので、個人的には割安に感じる。PCゲームなんて日本語版は定価のままで1万超えてるままなのにSteamじゃあ$10切ってたりするんだからさあ…まあいいか。


koboデビュー


いろいろ残念なトピックで話題になったkoboではあるが、いきなり10万台出たというのは三木谷さんのいうように成功ととらえていいんじゃないかと思う。日本から特に苦労せずに買えてた歴代KindleソニーのReaderが今までどれくらい売れているのかわからないので簡単には比べられないけれど。というかReaderって累計10万台超えてるんだろうか。すごく心配だ。


ハードウェアとしては量販店の展示機を数分触って見ただけなのだが、個人的にはパスということに決定した。理由は楽天だからというわけではなくて、

  1. やっぱりタッチスクリーンは持ち方を制限されたり気を遣うので嫌
  2. 文庫本なみの文字サイズで見るには、今のディスプレイは解像度が不足

といったもので、つまり同じ理由でKindle touchもパスということになる。


koboもReaderも日本語の表示品質は悪くはない。文庫本並みに文字サイズを下げてもちゃんと読める。しかし、どうも「インクが薄く」感じられてしまう。現状のKindleは縦書きもできないし、フォントもゴシックだけであまり品質はよくないのだが、ゴシックなおかげでくっきりはしている。明朝は描線が細いのでアンチエイリアスな部分が目立ってしまうからだと思う。今の電子インクディスプレイが200dpiくらいのはずだが、たぶん300dpiか、400dpiあればきっと満足できると思う。


あと、ディスプレイの地の色を今の純灰色ではなくて、少し黄色かかった色にしてもらえると個人的にはすごく嬉しい。今の色はペーパーバックの紙と同じなので英語を読むときは気にならないのだけど、日本語だと新聞紙見てるような気がしてちょっと。


とはいえ、どうしても欲しいコンテンツがあれば上記のようなことは目をつぶって買っていただろうということもたしかである。


Sony


ソニーは特に動き無し。と思っていたら冒頭に書いたPottermoreの件があった。Pottermoreはソニーがかなり協力しているらしく、画面の右上隅にはロゴが出ているし、海外のReaderのカタログページにはハリーポッターの表紙が表示されていたりするのだが、日本だと…地味だ。今回の日本語版にあわせてReaderも値下げして派手にプロモーションすればいいのにと思う。Pottermoreは特にReader一辺倒というわけでなく、現状のほぼ全てのプラットホームに対応していて、そこはソニーも含めて賞賛しているのだが、それはそれとしてもうちょっと売る気を見せてくれてもいいような。というのも、koboの発売タイミングがあまりにもどんぴしゃで、このままだとすっかりkoboにさらわれてしまうことになりかねないからだ。そしてそのまま…というのは悲しい。


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