「アンダーグラウンド」と「約束された土地で」の差

再読し始めたのは良いが、現在23人まで読んだところで、正直なところ、もうへとへとである。

たしかにあの本を読むと疲れる。買ったときは夢中で読み続けてその日か次の日には読了したが、ほんとに「もうへとへと」という気分だった。私も最近再読しようと思ったのだが、正直ガッツが足りない。
対して「約束された土地で」の方は分量的には半分以下くらいしかないのに、最初は途中で投げ出した。こちらは最近再読して、今回は最後まで読み終えたが、こちらも疲れるかというと全然そんなことなかった。前回投げ出したのは何故かというと、単に詰まらなかったのだなと改めて思った。
アンダーグラウンド」を「面白い」と言ってしまうと問題だが、引き込まれるという意味では強烈で、そういう要素が「約束された土地で」には希薄なのだ。その差がどこから来るかなのだが、なんなのだろう。
アンダーグラウンド」は被害者の話であるためか、まず事実関係が具体的である。しかし具体的なのは、事件の当日の出来事やその後の経過だけではなかったと思う。それまでのその人の成り立ちまで具体的に感じられた。
「約束された土地で」は抽象的な話題が多かった。事件そのものについては直接の加害者は登場していないはずだから仕方ないにせよ、それ以外の部分についてもなんというか観念的な話に流れる傾向がある。松永氏のインタビューの後だったので、何故こんなに似通った印象を感じるのかと驚いた。
単純に当事者意識の差だとは言い切れない。事件以外の部分−その人の成り立ちという意味で、当事者でない人間などいないはずだ。


簡単に言えば、足が地についているかいないか、その差だと思うのだが、そんな表現でまとめていいとも思えない。


というわけで、BigBang氏の再読後の感想が読める日をお待ちしております。