エージェント

というわけで、ル・グィン氏の翻訳許可メールを出してほぼ丸1日が経過した。返事はまだ。ちなみに出した先はル・グイン氏のページで指定されている通り、彼女の代理人のところである。ペンシルバニア州だそうだから、水曜日の営業時間が始まった頃だろうか。待ってますよー。

この代理人というのは日本ではあまり聞いたことがない。野球では契約更改に代理人を同席させるさせないで揉めているが、基本的にあれと同じ仕組みと考えたらよいか。少なくともアメリカの作家にはたいてい著作権管理代理人がついて、契約事務などを行ってくれる。形式的にはJASRACも同じだが、あれほどどんぶりなものではなく、作家と個人事務所のつきあいという感じだ。

作家にとっては編集者とならんで身近な存在のようで、アジモフやクラークのエッセイなどには時々登場するし、最近だとダ・ビンチ・コードで主人公が代理人に電話をかけるシーンが(原作には)あった。作家の権利の保護と同時に営業窓口のような役割も果たすので、「図書館協会に売れたよ」「やったね」みたいな会話があるようで、なんだか楽しそうだ。

扱う著作権というのも細分化されていて、映画化権を初めとして、テレビ、ラジオ、最近だと電子ブックだとかオーディオブックだとか、呆れるほど細かい。ゲド戦記のような名作の名が高いものはある意味特別で、短編くらいだとかなり気軽に安価に映画化権が売り買いされているようでもある。映画化権が売れたからといってすぐに映画になるわけでもない。クラークが「90億の神の御名」の映画化権が売れたけど、あれどうやって映画にするんだろうと心配していたが、残念ながらそのまま何十年たったのやら。

アマゾンで洋書を探していると単行本からペーパーバックになり、合本になったり廉価版になったりと版型も版元も変えて何度も同じ本が出版されているのがわかる。日本のように単行本→文庫本で基本的に終わりというものではない。この辺も代理人システムに何か関係があるのかと思うのだが、よくわからない。