家号

昔、小平霊園の近くを通りかかったことがあって、当然のことだが墓石屋さんが多い。ずらりと並ぶその看板を眺めていて、不思議なことに気がついた。ほとんど全て「○○家」という屋号なのだ。「○○屋」が無い。

この国には星の数ほど業界団体がある。墓石に限らない石材産業全般の協会だが、ここで加盟店の検索をしてみた。屋号に「家」がつくものは19件。「屋」のものは12件である。分布としては「家」派は明らかに東京・千葉を中心としている。「屋」派は関西以西が多いが、埼玉・新潟なども無いではない。

小平での記憶を呼び返すと、そこで見た墓石屋さんは全て伝統的な日本家屋といった風情だった。そこに上げられた看板も古めかしいものばかりである。雰囲気のあるいい町並みだった。小平霊園は昭和23年に開園したようだから、極端に古いとも思えないのだが。


なにか歴史的な経緯があるのではないかと思うが、調べがつかなかった。ぼんやりと商売は屋号、職人は家号というしきたりでもあったのかなと思う。