3つのオーマイニュースを比較してみる。

オーマイニュース日本版の不評の原因の一つに「Webサイトとしての出来の悪さ」が挙げられることが多い。しかし、考えてみればオーマイニュースは既に韓国で実績を積み、国際版も既に展開している。日本版はいわば三代目である。なのに何故これほど洗練されていないと評されるのか。先輩オーマイニュースと比べてみよう。

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三者三様、見た目からして随分違う。HTMLソースを見ると、共通しているのはASPアプリケーションサーバになっていることくらいではないかと思うほど違う。少なくともWebデザイナーはばらばらであり、HTMLソースの記述規約みたいなものは存在していないように思える。

日本版にRSSフィードが存在しないことが非難されていたが、韓国版と国際版には存在する。公開順から考えれば退化したようなものだが、この辺りの理由もよくわからない。またサイト内検索も日本版以外では実装されている。

さらに不思議なのは各記事へのリンクURLの形式がバラバラなことである。

  • 日本版:/News.aspx?news_id=000000001507
  • 韓国版:/articleview/article_view.asp?at_code=361273
  • 国際版:/articleview/article_view.asp?menu=A11100&no=313808&rel_no=1&back_url="

韓国版と国際版は似通ってはいるが、与えているパラメータが随分違う。データベースレベルで見れば同じなのかなという気はする。対して日本版は呼び出しているオブジェクトも違うし、記事のIDの形式も残り2版と違う。固定長12桁?データベースレベルから大きく違っているのだろうか。


少なくとも韓国版と国際版はアプリケーションサーバレベルでのソースコードは同根のような気がするが、日本版は一から再開発したのだろうか?

記事ページ

各記事ページを見ると日本版と残り2版との違いがさらにはっきり見える。

韓国版と国際版では、記事を読んでそのページの中でコメントを書くことができるのに対して、日本版では「ログインしてコメントを書く」ボタンで一度画面遷移を経なければコメントを書けない。あるいはログインしていればすぐにコメントを書くことができるのかもしれないが、それでは韓国版と国際版では未登録ユーザでもコメントを投稿できるのだろうか?

日本版は各コメントに固有URLがつかず、これも評判が悪いが、韓国版と国際版では固有URLがついている。これには理由がある。韓国版と国際版ではコメントが構造化されているのだ。

日本版では記事に対してコメントが一次元的に積み重ねられていくだけだが、韓国版と国際版では記事に対する直接のコメントがスレッドの種となって、それに対する二次的なコメントがぶら下がるという二段がまえになっている。面白いのは、この二段目ではコメントとして文章を投稿するだけではなく、その親のコメントに対して「賛成」か「反対」を投票できるようになっているということだ。この部分はDigg的である。親指を上下に突き出したアイコンもDiggを思い出す。

Diggといえば、国際版にはDiggDel.icio.usなどにオーマイニュースの記事を投稿するためのリンクが用意されている。Diggのようなニュースサイトが大きな影響力を持っているアメリカ向けの機能だと思う。

その代わり韓国版には投げ銭形式による市民記者に対する原稿料の寄付ボタンと、市民記者仲間からの推薦投票を受け付けるらしきボタンがある。

日本版独自の機能というのは、各コメントにつけられる「喜怒哀楽驚恐」アイコンくらいなのだろうか。正直に言って弱い。

なお全てにおいてトラックバック機能は無い。ただし韓国版と国際版では、市民記者の署名をクリックすると、市民記者へのメッセージを投稿するためのウインドウが開く。双方向性という面でも日本版だけが貧弱だと言っていいだろう。


記事ページにおいても日本版は機能的に退化しているように見える。やはり一から再開発したのだろうか。だとしたら、何故なのだろう。韓国版スタートだった以上、いわゆる多バイト文字対応の苦労は無かったはずなのだが。