接続された私

初めて自宅のPCをインターネットに接続したのは、それでももう10年くらい前のことになるのか。最初のモデムはAIWAの28.8kbpsのものだった。つないだのはMacintosh。漢字トーク7。

パソコン通信をしたことの無い自分にとって、ネットワークといえば初めからインターネットだった。fjがまだ元気な頃だ。おそるおそるfj.sys.macに投稿したのが結局一回だけか。fj.news.usageなど読んでいるだけでもおそるおそるだった。あの頃見かけた名前を今でも目にすることがある。継続は力か。

テレホーダイがすぐに始まったのか。23時から翌朝の8時までircをし続けたりしたこともあった。オフ会もした。あの頃の仲間は今どうしているのだろう。

最初に使った検索エンジンAltavistaだった。世界中の誰とも知りようのない人が書いた文章を読むことができる。これはえらいことになると思った。えらい数のエロい写真も既に世界中にあった。動画も出会い系もろくに無い頃だ。

女がいる間はネットどころではなくなる。

ircに顔を出さなくなり、nntpのフィードを止める。メールの数も減る。検索エンジンGoogleに変わり、調べるものは仕事で必要なものか、頼まれて調べるものばかりになる。

気がつくと世の中httpだけであらかた片がつくようになっていた。でもさほど変わったのかと思う。何を2.0と言っても最初の頃の衝撃はさほど受けない。ああ、ここまで来たのかとは思うけれど。

新しい技術とやらに懐疑的な自分がいる。でもそうではない。子供の頃に夢見た世界にはまだずっと遠いのだ。まだ、私のコンピュータは口答えをしないのだから。



子供の頃、モロボシダンは腕にはめた通信機でアンヌと連絡をとっていた。それが携帯電話によって現実の物になったのに、全然嬉しくないんだ、何故だろう。友達に言うと、彼は答えた。

「その電話はウルトラ警備隊につながらないからさ。」