世界史履修問題と近現代史の認識


ちょっと異論を唱えてみる。

必修科目とされている公立ですらこうなのだから、私立などは調べてみるも恐ろしいし、現代史を知らない日本人ということで、盛んに中韓などから批判されていたことが、実は現代史の次元の問題ではなく、世界史全体の欠損という、トンデモな結果になっていたということは、何ともいやはや。


世界史が必修化されたのは2003年度1994年度からに過ぎないので、それ以前の学生であれば、世界史を履修していない学生は当然もっと多かっただろうと思われます。私の同級生にも多数いますし、それがルール違反というわけでもありませんでした。今回の未履修問題にしても全体から見れば少数なので、世界史を学んだ高校生は確実に以前より増えているのだろうと。


考えてみれば不思議なことですが、歴史の授業と言うのは教科書を全て終えずに終了してしまうことが多いように思われました。例えば自分の場合、日本史の授業で第二次大戦は起きませんでした。*1友人たちと話してみると「明治維新が起きなかった。」などという証言も多く、割に状態としては一般的なことのように思われます。


週休二日制など、授業の総量が減っている現状を考えると、この傾向は強まっていたのではないかと。近現代史に対する認識が弱いというのは、実はこれが原因ではないかと私は疑っています。これは中学も含めての話です。


その中で、近現代史だけを扱う世界史Aが設定され、通史を扱う世界史Bの半分の単位数にして履修しやすくなっていることは、近現代史に対する知識・認識を強化するという意味では評価すべき編成だと思います。


細かい知識はともかく、大筋でさえわかっていないというのが問題なわけですが、そもそも中学で履修していないということはありえないわけですから、高校教育がどうこうというレベルではないのだろうと思います。最近の大学生はこんなことも知らないのがいると言う話で聞くネタも多くは小中学生レベルだったりしますから*2、義務教育の段階で既に大きな病根があるのではないかと。


【追記】

というわけで、世界史が必修化されたのは1994年度からでした。すみません。Wikipediaがさあ、いやなんでもない。しくしく。

それ以前は世界史必修でなかったのは動かないので、全体の論旨は特に変更なし。


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*1:なのに大学は近現代史中心の出題をするところだったので、えらい苦労した。

*2:分数の割り算ができないって小学生だよね。