華原朋美引退の危機に瀕して


誰かちゃんと論じた人間がいるのだろうかと、私は危惧する。Rockin' on で…、いや、あいつらがやるわけない。


サビの一つ手前で転調する―しかも下へ―なんて趣味的な曲を書いていたら、このカラオケ時代にいくらなんでも見捨てられるだろうと、だれか哲ちゃんに面と向かって言った奴はいるのかと。ウツが出せない音域でも無いのだから、それはただのあんたの趣味じゃんと。ていうか、歌い手が出せる音域か出せないとこかなんて、あんた気にしたことないじゃん、と。


その後のよく分からない娘。だのなんだのなんて、実に日本的な音しかないじゃないか。やっとちゃんと売れたラブマシンは、つまるところ編曲が力の限り70年代の空気を吸ったダンスマンだったからじゃないか。Pは個人的趣味で女子供を選んだだけであって、この国の音楽というものに何か一つでも新しいものを入れようとしたのかと。哲ちゃんは、少なくとも本人はそう思っていたし、マーケットレベルでいえばある程度それを達成したぞ、と。



メジャーだから下らないとか、ぴあのはみ出しで語られてた頃のTMネットワークが一番良かったとか、そういう根性の小さいところにいる連中が、どれほど大事なものをスポイルしているのかと。



ビーズがパクりだと非難する輩よ、彼らの「ハード」じゃない楽曲は、実に正当にこの国のフォークを継いでいるぞ。フォークの人間が20年かかってなし得なかったマーケット規模で。