希望と絶望
私はなんとなく19世紀末のことだと思っていたのだが、今調べてみると、両方とも1930年前後のことであるようだ。そうか。そうなんだ。
なにがあろうとも、私がこの二つのものをちゃんと理解しているということは無い。ただ、私がこの二つを知ったときの、なんというか茫漠としたものは憶えている。
この二つが示しているものは、我々人間がどのようにしても知り得ないものがあるのだ、という証明なのだろう。ぶっちゃけて言うと、それは神でさえ知り得ないことがあるのだという証明だと思うのだが、まあそこは強く主張しまい。
不確定性原理さえ無ければ、我々はニュートン的な機械的で決定論的な宇宙に住んでいられる。
不完全性定理さえ無ければ、我々はユークリッド的な幾何学的で無矛盾な世界に住んでいられる。
だが、我々はそうはいかないことに気づいてしまった。
さて、そこに絶望を思うか、希望を見出すか。
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