アラトンデモナ病原体


絹川愛選手の体調不良による北京五輪断念を報せる記事の問題だが、報じたタイミングから読売が「抜いた」のだろうか。


ブクマや2chがすごかったが、いち早くこの「謎の感染症」「未知のウイルス」についてトンデモでは?という指摘が。


公平のため私の最初の感想を述べておくと、とりあえず記事自体は疑わなかった。トンデモセンサー反応せず。ただ、「謎の感染症」とか「未知のウイルス」とかって、いかに有望選手とはいえ五輪出場がどうとかよりおおごとのニュースなのに、何をノンビリしてるんだろうとは思った。それで、いろいろ他の記事を追っかけていてトンデモ説に気がついてああそうかというところ。


で、一夜明けて、本日の各紙を見てみると。

時事と産経と共同は昨日のうちに後追い記事。

毎日は『4月に精密検査した松元司医師によると、血液にウイルス感染が原因とみられる異常が見つかり、細菌が付着して骨も痛みが出たらしい。同医師は「海外で感染した可能性が高い」と指摘。』と改めて松元医師のコメントを取った記事をご丁寧に記名記事で出す始末。


朝日は(少なくともWeb上では)この件を報じてない模様。



で、さてどうしましょうか、これ、と。


基本的に各紙とも当事者の発表をそのまま報じたに過ぎないとは言える。絹川選手の体調が相当に悪いことは事実だし、指導者はじめ当事者は主治医である松元医師の言うことを信じているようす。そこで正式に発表があったのなら、とりあえずそのまま報じるというのは、まあ普通の対応だったのだろう。


もちろん「謎の感染症」とか「未知のウイルス」とか記事に書いてる時点で何か変だなと思って欲しいというのはある。ただ、そこで調べて、どうもトンデモだと気がついたとして、どうします?「…と関係者は述べていますが、絹川選手の状態はともかく、原因についてはトンデモです。」とはなかなか書けないだろう。いや、でもそう書くべきなんだろうな。


問題は週明け以降で、この記事の続報を各紙がやるのかということ。ネットでもこのスピードで指摘はあがって来るのだから、新聞社の中にも気がつく人物はいるだろう。100%の誤報とは言いづらいから訂正記事を出せとは言わないが、こういうトンデモを指摘・追求する姿勢は欲しい。まあ来週か再来週にでも週刊新潮辺りが小さめの記事にするのかな。「有望陸上選手を脅かすトンデモの影」みたいな感じで。




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