「…ことが分かった」メソッド


昨夜のエントリが冗長になってしまったので、改めてできるだけ簡潔に書いておく。


今回の「誤報」の件では、読売より毎日に対する点の方が辛い。読売は独自でネタをつかんで抜いて外れた訳だが、毎日はそれにただ乗っかって読売と同じ穴に落ちたからだ。独自の情報をほとんど提示することなく、出所不明の「…ことが分かった」で後ろについていっただけである。


後追いの記事を書かざるを得ない場合があるというのは分かる。だが、その際に重要なのはそのニュースの裏を独自に取ることだ。そうすることで読者は補完的にその記事の真実性を検証することができる。もちろん、望ましいのは先行したところとは別の情報源を探し出すことであり、さらに新しい情報を追加できることであるのは言うまでもない。


最近非難されている毎日の「WaiWai」も本質的には同じところに問題があったのだと私は考えている。


あれはゴシップ誌の記事を転載していたわけだが、その元の記事の裏を取ろうとした形跡がほとんど全くない。それは元がゴシップなのであるから、真面目に裏を取ればガタガタになるのは目に見えているにせよだ。独自取材をほとんど行おうとせず、あまつさえそれを一般化するなど、故意に煽るような記事に仕立てていた。デスクなどのチェック機構が無い*1ほどの人手不足の状況で、そのくせ「人気記事だから」という理由で記事の掲載ペースを増やしていたのである。そんな余裕があるなら独自取材をするべきだし、それができないのなら、正式に許可を取って転載という形にしておけば、まだマシだったのである。*2


取材しない報道機関がジャーナリズムと呼べるだろうか?


なお念のために書いておくが、この手の「…ことが分かった」メソッドは必ずしも毎日だけの悪弊というわけでもない。


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*1:今回の調査報告で一番愕然としたのはこの部分だった。

*2:転載した場合でも第一義的な文責は転載先が負うことにはなる。