偽100万ドル札あらわる

調べによると、能津容疑者は2006年9月中旬、同区の女性(49)に100万米ドル紙幣の束を渡した上で「1億円を預ければファンドに投資して毎日100万円をもうけさせる」と偽り、現金1億円を詐取した疑い。

昨年のまさにちょうど今頃に偽50万ポンド紙幣による詐欺事件が露見し、こちらは未遂に終わったが、今年は偽100万ドル札で、しかも既遂。つまり詐欺としては成功してしまったようだ。もしかしたら昨年の事件を参考にしたのかもしれない。私は昨年の事件については以下のエントリを書いた。


歴史的には10万ドル札というものは実在していたのだが、わざわざ実在しない100万ドル札をでっち上げるというのがよく分からない。前回の50万ポンド札も日本円にすると約1億円なので、なにかこの辺りの金額に心理的しきい値のようなものが存在するのかもしれない。


法的な話としては詐欺罪で逮捕したようだが、外国通貨偽造も刑法で禁じられており、問題は架空の紙幣を作るというのが「偽造」にあたるかというところである。もちろん普通に考えれば犯罪なのは間違いないのだが、通貨偽造罪って適用できるのだろうか。


詐欺のストーリーとしては、昨年は中国の古い一族が登場し騙す相手もイングランド銀行そのものという豪気なものであったが、今年は一市民を投資話でひっかけただけだった。不謹慎なことだが面白みとしては昨年の事件のほうが圧倒的である。



それにしても、この架空の紙幣の肖像は誰だったんだろう。



【追記】と思ったら、偽100万ドル札の写真が掲載されていた。肖像はワシントン、つまり1ドル紙幣と同じで、というかデザイン自体が1ドル紙幣のままである。ただ0を6つ書き加えただけとか手抜きにもほどがあるだろう。まったく。