ペーパーバックリーダー for iPod Touch


そろそろ寒くなって来て、私にとってそれは洋書の季節がやってきたことを意味する。しかし、今年はその少し前に事情が変わった。Kindle for iPhone の存在である。


以前に紹介したようなペーパーバックと電子辞書の組み合わせには、それなりにかさばるという難点があった。かさばる故に持ち歩いていない時があり、ふと時間が開いた時に持ってくればよかったと後悔する。そもそも大きなポケットの無い季節には持ち歩かなくなるといった具合だ。


iPhoneなら常に携帯していても邪魔にはなるまい。でも電話機能はいらないなということで、iPod Touchを購入した。以下はその使用感についてである。

Kindle for iPhoneの使い心地


まず起動するとロゴ入りの起動画面が出る。これは毎回である。その後、約2秒程度で前回閉じた時の状態に復帰する。たいていは開いていたページが表示されるだろうから、そのまま読み進むことができる。ただし画面の上下に3秒ほどメニューが表示されて邪魔になるが、私のようなせっかちは画面タップでさっさと消せる。起動時にはamazonにアップデートの確認を行うようだが特に動作速度に影響はしない。総じて動作は非常に軽快である。


メニューを呼び出していない限り、読書画面には「紙と文字」しかない。再上段の時計や電池の表示さえ消える。これは画面を見ているのではなく、「本を読んでいる」という気分にさせるかなり重要な要素ではないかと思う。


表示の設定は文字のサイズと、文字と背景の配色のみ変更できる。私は配色をセピア(生成りの紙に茶色の文字)にしている。ペーパーバックに関する限り、真っ白の紙なんて存在しないのでこちらの方が気分が出る。


文字サイズは5段階から選択でき、私は標準の真ん中のサイズに設定している。ペーパーバックとほぼ同じサイズになるのは、それより一つ大きい設定だ。


ページあたりの表示量はさすがに書籍には及ばない。フォントを最小サイズにしても書籍の半分程度、標準サイズだと8行分程度になる。英語に慣れない私にはこの程度の見晴らしで充分だが、これが日本語だったら少ないと感じるかもしれない。その場合はKindle専用機を使えばいいことだが。


本体の傾きに応じて、縦長と横長の表示に切り替わるのは他の多くのiPhoneアプリと同様である。この切り替え時には画面の右下済に錠のアイコンが出て、切り替えをロックすることができる。これは他のiPhoneアプリにも是非取り入れて欲しい機能だ。


画面をタップして少し待つとテキスト選択することができ、文字をハイライトすることとそこにメモを残すことのみ可能だ。テキストのコピーはできない。これは辞書の検索にペーストを使えないということであり、このソフトに対する今のところほとんど唯一の不満点となっている。スペルを憶えて辞書を起動して間違ってて、Kindleに戻る時のトホホ感はかなりのものである。


ページのめくりはフリックで行う。ページの移動はメニューのスライドバーでも可能だが、ページ番号が直感的ではないので、あまり使えない。その他に目次から章ごとのジャンプも可能である。


とか書いていたら、日本でもリリースされてしまった。というわけで、取り急ぎ。辞書ソフトの連係についてなどはまたそのうち。