残念でないネットメディア


組織的・非組織的に限らず、ネットメディアに対する自分の印象というのは前回のエントリで書いた通りである。それは震災を迎えてなお特段変わりない。Twitterの役割がどうのこうのという議論がちっちゃくあったりするが、ダメな人がダメなことを垂れ流すことに変わりは無かったし、よく知らない人がそれっぽいことを書いていたとしても、裏を取る手間はマスコミなんかと比べて変わりないのでやはりめんどくさい。


ただ唯一、非常時の連絡手段としてインターネットはダイハードだったとは思った。少なくとも東京において、有線無線に限らず電話がほとんど通じない状況で、よりによってあのソフトバンクの回線で、ちゃんとiPhoneTwitterやらなんやら見て書けるというのは実に頼もしいことではあった。イー・モバイルもちゃんと生きていた。もともとそのために生まれたネットワークとはいえ、この国でそれがちゃんと機能しているのを見るのはかなりの驚きだった。


そんななかネットメディアとして思いのほか機能したのはニコニコ動画Ustreamだった。期間限定ながらNHKが再送信を可としたことで、これらの「メディア」が非常時の放送網として案外に使えるということがわかった。それ以上に素晴らしかったのは、東電や保安院の会見を生で毎回放送し、しかもオンデマンドにも対応するといったことだった。官房長官が東電が保安院がなんと言ったか、いちいち裏をとる必要が無い。もちろん全部につきあう時間は無いが、いざとなれば裏が取れるというのは気分だけでも楽だ。


なんつったっけこういうの?オープンソースジャーナリズムだっけ?当時流行りのLinuxや*BSDの世界*1にのっかって、言葉だけひっぱって、いろいろご高説を掲げて始めて消えたサイトより、アニメの違法再送信してたところの方が結局よっぽど世の中の役にたったというのは非常な教訓であり、ある意味痛快だった。


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*1:実際には5年以上は遅れていたが