電子書籍リーダー雑感(3)

新機種そろいぶみ

Reader、KoboKindleの順で新機種が発表された。Readerが発表された時点で私ははてぶにこう書いていた。


>ディスプレイが事実上一社一製品の独占状態なので、機械としての差別化は難しいよね。


現状、主要な電子書籍リーダーのディスプレイはe-Ink社のPearlという製品が独占していて、結果的にどこも横並びの解像度800x600の白黒16階調のモデルばかりだった。だから、機械としての差別化はディスプレイを駆動する回路だとか、ソフトウェアだとかフォントだとかバッテリだとかでするしかない。そんな中で、新Readerはデザイン以外では特に機械としての目新しい変更があったわけではないが、ソニーは懸案の日本国内販売価格を9,980円とし、他機種に対する価格競争力をなんとか確保した。そう思っていた。

    • Kobo Glo:解像度1024x768、フロントライト搭載
    • Kindle PaperWhite:解像度1024x768、フロントライト搭載、地の色をより白く


e-Inkが新世代の製品を投入したのかと思ったが今のところ特に発表はない。あれと思ってあわてて電卓を叩いたら、6インチ800x600だと解像度は約170ppi、6インチ1024x768だと解像度は約200ppiになる。Pearlのカタログスペックは、もともと最大200ppiである。つまり、Pearl自体に伸びしろが残っていたのだ。


結果的にSonyは価格面ではほぼほぼ追いついたものの今度はディスプレイという肝心な部分で一世代遅れをとったわけだ。ちなみに先々代のReaderの時はネットワーク機能で遅れをとっていた。念のため述べておくと、SonyKindleよりももちろんKoboよりも何年も前から電子書籍リーダーを販売してきた会社である。


ちなみに新Readerには先着10万名までハリー・ポッターの第一巻(900円)がおまけでつくそうである。このおまけをもらえない人というのは、はたして現れるのだろうか。


新ディスプレイ


というわけでKoboKindleに搭載された200ppiのディスプレイだが、まだ実物を見ていないのでなんともいえないが、前回書いたように6インチ800x600のディスプレイでは日本語表示に解像度的な不満を感じていたこともあって、それが改善される可能性はあると思う。それから、KindleがPaperWhiteと商品名にまで謳った「地の色が灰色から白に」というのも前回書いた不満点の解消なので、自分でも意外なほど購買欲をそそられている。とはいえ、去年買ったKindle4に特に不満もないので、少なくともKindle日本上陸までは様子見できるだろう。


廉価版


そういえば、KoboKindleはそれぞれ廉価版ともいえる機種を設定していて、Kindleの広告付きモデルで約5,000円、Koboの小型版が約6,000円という感じで、電子書籍リーダーの値段はもう一段下がると以前書いたような状態に着々と近づいている気がする。なおReaderはなぜか小型版が無くなってしまったもよう。


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