ある種のRPGにおける「カルマ」とは

あ、これはおまけです。このカテゴリにするのもおかしいです。

#最近になって、「スラッシュドット」において、やはりほとんど同様に、ユーザー数値を「カルマ」と呼んでいることを知った。また、別の方からは、ある種のRPGでこうした用語を使っていることも教えてもらった。(若くないんでね。すまん)

#ちなみにこの引用した赤字部分は追記でなく、公開当時に既にあったものだったと思う。追記部分には【加筆】とかかれている。本筋にからまない部分という意味で行頭の「#」と赤字が使用されているのだろう。この段落も同じ立場であるので、真似してみた。

この「ある種のRPG」だが、これはファルコムの名作PCゲーム「Xanadu」(ザナドゥ)のことだと思われる。もう20年以上前のソフトなので、若い人はむしろ知らないと思う。

これが面白くってと言いたいのだが、私は一瞬しかプレイしていない。そのかわりモンスターイラスト満載の設定資料集を持っていて、何年かに一度は読む。ゲームシステムのことや、攻略戦略を見ているだけで楽しいのである。

このゲームのキャラクターには「カルマ」というパラメータがある。倒してはいけないモンスターとして「カルマキャラクター」が存在し、これを倒してしまうと「カルマ」は上がる。「カルマ」が0でないと寺院に入れずレベルアップできないなどの不都合が生じる。「カルマ」を下げる方法は「毒」を飲むことだけである。

お分かりだろうか。このゲームの場合、カルマが上がることが悪いことであり、下がることが良いことである。さすが日本製。ちゃんと分かっている。

英英辞典も調べてみたが、どうも海の向こうでは「karma」は基本的にプラスの概念と理解してしまったようだ。「luck resulting from your actions」などという説明があったり、「bad karma」という言葉があったりする。まあ異文化の誤った理解というのはよくあることであろう。

というわけで、ウィザードリィじゃないよとも言いたかったのだが、不安になって調べてみるとなんと最近のウィザードリィにはカルマパラメーターがあるようである。うーむ。6以降はWizとして認めないぞと、年寄りのたわごとを述べてこの件は終わる。

 Gripにまつわる問題の本質とは

先の「カルマ」にまつわるエントリの冒頭で、私はこれが『「ことのは騒動」における本質とはほとんどからまないだろう』と書いた。その割に最終的に、Gripへのオウムの関与が無かったことを強く示唆する結論となった。これはまさに本質の一つではあるわけで、自分の先見の明の無さにはつくづく呆れるばかりである。

とはいえ、私が最初に「本質」と書いた部分については依然としてノータッチであることも確かである。その「本質」とは何か。


それはあの企画書を書いたのは誰か?Grip企画を実質的に作り上げたのは誰か?という問題である。


改めて「Grip 報道メディア設立企画書」を読み込んで、私は不思議に思うことがあった。あの企画、あのシステムに泉氏の居場所が見えないのである。

スラッシュドットDiggの最大の違いの原因は「編集者」が存在するかしないかであると、既に述べた。Digg型のサイトは「編集者」を本質的に必要としない。むしろいては困る。だから、Gripにも編集者の役割は無い。Digg型のサイトに必要なのは、システムを円滑に動かしつづける技術者であり、規模を支える資金であり、広告ビジネスの営業であり、後はせいぜい荒らし等を見張る監視員である。

泉氏は記者だ。OL経験が長いようなので、事務所に入って事務仕事をするのは可能ではあるだろう。だが、元々彼女は記者をするためにこの企画を立ち上げたはずだ。泉氏の居場所を探すなら、記者としてのそれを探すべきだろう。

たしかにGripに「記者ユーザー」という単語は現れる。これについての記述が乏しいのだが、これは「記者として登録されたユーザー」を示すものか、あるいは「ユーザーの記者としての役割」かであろう。どちらにしてもシステム上、特権的な役割のものではない。基本的に誰もが記者になれるというところまでしないと成り立たない性質のものである。

その大勢の一人に泉氏がなる予定だったのだろうか。そうかもしれない。もちろん泉氏はGripでの看板記者として扱われるだろう。すくなくとも初めは。しかし、それが長く続かないことは容易に想像できる。これは泉氏の能力の問題ではない。多くの記者が参加しなければ成り立たないシステムであり、彼らの評価を決めるのはユーザーの直接的な行動によるシステムである。単発であるいはボランティア的にするならともかく、職業的に考えれば、激しい競争にさらされるのが前提のものなのだ。

しかも、ユーザーカルマのビジネスモデルは記者に収入を保証するものではない。そもそも記者に対するインセンティブについての記述さえ無い。

泉氏が職業的な記者としてやっていくのであれば、スラッシュドット型のサイトの方が向いていたはずなのだ。スラッシュドットの編集者というのは、書き下ろしの記事を書く場合があるし、インタビューには自ら出向く。記者の役割も果たすものなのである。実際にはスラッシュドットの編集者はボランティアがほとんどだが、雇用関係が存在しても不自然ではない。職業にし得るのである。だが、Digg型のGripにそんなものは無いのだ。

そしてGrip以前の「WordPress」や「草案」には編集者という立場がはっきり明記されていた。泉氏が語っていた「4人のキーマン」というのは、「草案」の中にはっきり位置付けされている。WordPressは基本的に「草案」を受け継いで発展させたものだ。だが、Gripはそれまでのものとは異質なものである。なんらかの方針変更があったに違いないが、その際に自分が何を選んだか気づかなかったのだろうか。

もちろん泉氏が自分の職はともかく、理想のメディアの形を追求した結果だということであれば、それは純粋に頭の下がることである。だが、自らのブログで金銭的な窮状を何度も訴えていた泉氏にそこまで要求するのは酷というものだと思う。


ここに結論は無い。

私はこの3日で、Gripという企画に興味と好意を持った。実現しなかったことが残念である。それについてはまた別に書く予定だ。だが、この企画書を泉氏が書いている姿は、この企画書からは見えない。やはりご本人のもっと具体的な言葉を待つより他にないのである。

ひとりごと

  • 私に向けられたのかなあ。Firefoxで読み書きしてると全然化けないんですよね。IEで見たら化けてた。Winだけど。
  • そう思ってソース見たら、日記の方はeuc-jpなのね。
  • Mac欲しいなあ。
  • そういえば、連載がすっかり止まってしまったな。やはり怖くうわなにをするやm
  • しかし、どんどんエントリが長くなっているようなのは気のせいか?気のせいさ。

 「売文日誌」主宰者の方へ

こんにちわ。そちらには一度だけコメント欄に書いたことがあります。その時は「別の人」という名義でした。ちゃんとお返事もいただきました。まさにこのユーザーカルマあるいはそれによる“印象操作”問題の折でした。


先に謝ります。最初に貴兄に“博士”との敬称を奉ったのは私です*1。尊称ではありますが、揶揄の意が込められていたのは確かです。ごめんなさい。我ながら恐るべき勢いで定着してしまいました。お気に障っているなら謝ります。すみません。


で、ですな。


いつまでBigBang氏にユーザーカルマネタでこだわって、氏を引きずり続けるおつもりですか?残念ながら、よく言ってせいぜい水掛け論にしかなりえないことは、もうお分かりでしょう?

あなたは、BigBang氏が議論をグレーまたはクロへ印象操作しようとされたとの御主張ですが、そもそも彼にそんな動機が無いのがわかりませんか?泉さんの背後からオウムが出てきて欲しいなどと、BigBang氏はこれっぽっちも思ってないはずですよ。むしろ出てきて欲しくないと思っておられるでしょう。そんなものいなかったと証明するためにあれだけ骨を折っているのが、わかりませんか?

そして、どうやって証明するかと言えば、事実を明らかにしていくしかないんです。BigBang氏のところにその全てがないから、あるいは守秘義務によって明かすことができないから、それを泉氏に求めるしかないんです。

私の先のエントリはご覧いただいたでしょうか?念のためURLを示します。

結論としてオウムの関与を否定する趣旨のものになっていますが、これは泉氏が企画書を公開されたがためです。泉氏がこの企画書をなかなか公開しなかったのは、やはりこの「ユーザーカルマ」という単語があるためではなかったかと思います。これは妄想・邪推ですが。この言葉によって疑われることを怖れられたのではないでしょうか。しかし、BigBang氏がその用語の存在を明かされたので、出した方が良いと判断されたのでしょう。

そして、背後に本当に問題が無ければ、時には問題があったとしても、情報を出すことは良い結果を生むのです。それを泉氏に知っていただきたくて、昨夜のエントリをGripBlogにトラックバックしました。まあ次のエントリがあれなので、読まれたらがっくりされるかもしれませんが。それはともかく、おそらくume氏であれば、あるいは泉氏が、あるいは別の誰かが、私よりももっと簡潔に説得力をもって「ユーザーカルマ」の意図を説明し、それがオウムのものでないと主張することが可能であったでしょう。


BigBang氏が求めておられるのは、そういうことなのだと私は理解しています。情報を出してくれと。“関係者全員”にふりかかった疑いを消すために。それがわかりませんか?


ああ、すみません。貴兄に関することが出てきませんね。だって、貴兄のところでされている“議論”には実が無いのです。ちっとも本筋にからんでないから、引用するに足るところもないのです。

貴兄が“印象操作”による“風評被害”を問題視されるのであれば、その風評を打ち消すに足る根拠を提示して、被害から救済することが先決ではありませんか?風評を打ち消す根拠こそが、“印象操作”に対する最も強力なカウンターになるとわかりませんか?

私のエントリがそれに充分なものだとは言いませんが、あなたの行為よりはマシです。そして、このくらいのことは3晩も費やせばできるのです。どうしてそれをなさらず、ただいつまでも“印象操作”であったと主張するだけの空しい作業をお続けになるのですか?


要するに私が言いたいのは、ぐじゃぐじゃとつまらんことにこだわるガッツがあったら、もう少し建設的な方向に使えと、でなければ帰れと。BigBang氏にネタエントリを書く時間を残してくれと。そういうことです。

では、失礼しました。

【追記】
トラックバック先のURLが含まれていないと通らないようだ。というか、何度目だこのミス>自分。
なので、このエントリは以下のURLにトラックバックします。